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食欲がない

食欲がない・・
食欲不振について

食欲がない・・食欲不振について食欲がない理由は様々ですが、胃腸や肝臓などの消化器官の病気、心臓病、内分泌障害、糖尿病などが関係している可能性があります。また、心配事があると食欲がなくなりやすいので、精神的な影響も考えられます。薬剤やタバコ、疲労、睡眠不足も影響を与えることがあります。食欲不振は体や心に何かしらのサインを示しているかもしれません。健康的な生活に戻すために、原因を見つけて対処しましょう。

食欲不振にもタイプがあります

徐々に食欲が低下する

疲労やストレス、睡眠不足、暴飲暴食などが原因で、身体のバランスやリズムが乱れると、食欲が減退したり、体が疲れやすくなったりします。特に若い女性に特に見られるケースですが、心の状態が原因で食欲が低下することもあります。気分が沈んで眠れなくなったり、急激に体重が減少して月経が不規則になったりした場合は、医師に相談するのが望ましいでしょう。

突然食欲がなくなる

急に食欲がなくなり、かつみぞおちが痛む場合、急性胃炎の症状が考えられます。主な原因は、暴飲暴食、ストレス、過労などです。また、急激な食欲不振と共に吐き気や下痢、発熱などの症状がある場合、ウイルス性急性胃腸炎が疑われます。さらに、月経が止まり、急に食欲がなくなった際には、妊娠の可能性も考えられます。

食欲がない時に考えられる疾患

食欲がない場合、以下の疾患が隠れているかもしれません。

過敏性腸症候群

便秘や下痢が続くことがある方は、過敏性腸症候群の可能性があります。これは、大腸に炎症などの異常が見られないにも関わらず、腹痛や下痢、便秘が持続する疾患です。便秘やお腹の張りとともに、食欲不振が現れることもあります。

機能性ディスペプシア

胃の調子が悪いと感じているが、検査で異常が見つからない場合、機能性ディスペプシアが考えられます。胃痛、胃もたれ、お腹の張りなどの症状が長期間続くと、食欲不振を引き起こすことがあります。

逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流する逆流性食道炎は、食生活の欧米化などが影響し、近年患者数が増えています。胸やけ、喉から胃酸が上がる感覚(呑酸)、胸の痛み、喉の渇き、喉が焼けるような感覚が症状として現れ、進行すると不眠や食欲不振を伴うこともあります。

慢性胃炎

胃の粘膜が繰り返し炎症を起こし、胃痛や胃もたれ、吐き気、食欲不振などの症状が現れます。慢性胃炎の主な原因としてはピロリ菌感染が挙げられ、放置すると胃潰瘍や胃がんのリスクが高まります。ピロリ菌感染がある場合は、除菌治療を受けることで症状の改善が期待できます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍や十二指腸潰瘍では、食後に腹痛や吐き気、食欲不振が現れることがあります。胃潰瘍は食後に痛みが強く、十二指腸潰瘍は空腹時や早朝に痛みを感じることが特徴です。放置すると胃や腸に穴が開くリスクもあります。主な原因はストレス、喫煙、ピロリ菌感染、食生活の乱れです。

甲状腺機能低下症
(橋本病など)

甲状腺ホルモンの分泌低下により、新陳代謝が低下し、疲れや食欲不振、無気力、むくみ、冷え、記憶力低下などの症状が現れます。甲状腺ホルモンの補充によって、これらの症状を改善することができます。

胃がん・大腸がんなど

消化器系のがんは初期段階では自覚症状が少ないことが多いですが、稀に食欲減退が見られることがあります。病態が進行すると、食欲不振に加え、腹痛や腹部の膨満感、背中や腰の痛みなどの症状が現れることもあります。定期的な胃カメラや大腸カメラ検査を受けることが、早期発見に繋がります。

食欲不振を感じた時に
受けるべき検査とは?

以下の検査を実施し、必要なものを選択した上で診断を行います。

血液検査

胃以外の疾患を発見するためにも有効です。

超音波検査

主に肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓などの疾患の有無を確認するために行います。

胃内視鏡検査

内視鏡を使って食道、胃、十二指腸の粘膜を直接観察します。胃炎、胃潰瘍、胃がん、食道がんの発見や、ピロリ菌感染の有無を調べるのに有効です。当院では、できるだけ苦痛のないように鎮静剤や経鼻内視鏡での検査もご提供しています。

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レントゲン検査

腹部のガスや便の留まり具合、胃腸の動きをチェックするために行います。

食欲がない時は
何を食べたらいいの?

食欲がわかない際には、普段よりも栄養に配慮した食事を心がけましょう。ここでは、食欲がない時の栄養補給のコツについてまとめていきます。

少量で栄養価の高い食べ物を選ぶ

少量で栄養価の高い食べ物を選ぶ食欲がないときでも、栄養価の高い食材を選び、バランスよく栄養を摂取することが重要です。
特に、アミノ酸スコアが高い食品を取り入れると効果的です。アミノ酸スコアは、体内で生成できない必須アミノ酸をバランスよく含んでいるかを評価する指標です。タンパク質が不足すると、筋肉量や集中力が低下するため、健康維持には欠かせません。アミノ酸スコアが高い食品としては、牛乳や卵、大豆製品、ヨーグルトなどが挙げられます。

喉越しの良い食品を摂る

食事が喉を通らないと感じたら、喉越しが良い食材を取り入れてみましょう。納豆やオクラ、なめこなどの「ねばねば食材」は、茹でて細かく切ったり、潰したりすることで喉を通りやすくなります。乳製品や卵を加えることで、さらに食べやすくなります。

消化に良い食品を食べる

消化に優しい食品を選び、胃腸への負担を減らすことが大切です。消化の良い食品は柔らかく、脂肪分が少なめのものが多いです。以下に、消化の良い食品と悪い食品の例をご紹介いたします。

カテゴリ 消化の良い食品例 消化の悪い食品例
主食 ごはん、おかゆ、うどん、そうめん 玄米、そば、スパゲッティ
メインディッシュ 鶏肉、赤身肉、白身魚(カレイ、サケなど)、卵、豆腐、納豆 揚げ物、炒め物、バラ肉、ベーコン、うなぎ、サバ、タコ、イカ
副菜 だいこん、キャベツ、はくさい、たまねぎ、ほうれんそう、いも類(じゃがいも、里いも、ながいもなど) さんさい、ごぼう、たけのこ、きのこ
デザート りんご、バナナ、もも かき、なし、パイナップル

刺激の強い料理や濃い味わいの食品は、消化液の分泌を促進する一方で、胃腸に不快感をもたらすことがあります。胃腸が弱っている場合は、こういった食品を避けるのが良いでしょう。

手軽にコンビニで購入する

手軽にコンビニで購入する調理が面倒な時は、コンビニで栄養補助食品を活用しましょう。パウチ入りの栄養ドリンクやゼリー、ヨーグルト、冷奴、サラダチキン、バナナなどは手軽に栄養を補えます。これらを組み合わせて、栄養のバランスを整えましょう。

お酢を摂取する

お酢は食欲を増進させる効果があります。酸味が嗅覚や味覚を刺激し、唾液や胃液の分泌を促進します。ピクルス、もずく、ビネガードリンクなどを取り入れてみましょう。

食欲不振が続く際の
受診のタイミングと注意点

「ちょっと食欲がないな」と感じることは誰にでもありますが、これが長引いたり、他の症状を伴った場合は注意が必要です。以下のポイントを参考に、適切なタイミングで受診を検討してください。

受診を検討すべき
タイミング

次のような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

1週間以上、食欲不振が続く

一時的な疲労やストレスが原因であれば、通常は数日で回復します。それ以上続く場合は、体に何らかの異常が隠れている可能性があります。

体重が急激に減少している

何もしていないのに短期間で体重が落ちている場合、消化器系や代謝に問題があるかもしれません。

慢性疾患がある

糖尿病や肝臓疾患などの持病がある場合、食欲不振がこれらの病気の悪化を示している可能性があります。

受診前に注意するポイント

症状をメモしておく

いつから食欲が落ちたのか、どんな症状があるのか、食べられるもの・食べられないもの、体重の変化などを記録しておくと、診察がスムーズになります。

服用している薬の確認

現在飲んでいる薬が食欲不振の原因となることもあります。医師に伝えられるよう準備しておきましょう。

食事内容を振り返る

最近の食事内容や生活習慣についても振り返っておくと、医師が原因を特定しやすくなります。